Backwater 1stと2nd 感想

お久しぶりです。

ここ半年ほど、諸事情あって萌えから離れなければならない状況だったのですが(ぼっち・ざ・ろっくは見た)、その用事も済んだのでようやくがっぷりと萌えに向かうことが出来そうです。見たいアニメが山積みですが、過酷な日々が開けると逆に何もできなくなるもので、これからゆっくり消費していければと思います。

ところで、私はその半年間、精神の幼児退行とともに私の原点ともいえるブラック・スピード・メタルを聴きまくっていたのですが、その中で(現実逃避も兼ねて)悶々と感想を考えもしてしまってましたので、こちらのほうもゆっくりブログに書いてければなあと思って今回ブログを更新しました。

今回書くのはこれです。

 

Backwater – Revelation

 

 

ドイツのスピード・メタルの84年1stアルバム。僕が持ってるのは彼らの1stと2ndのコンパチですので、1stと2ndそれぞれを書きたいと思います。まずは1stです。

ここ半年間で聴いてたスピードメタルの中でも、特にBackwaterにはガンハマりしてしまいまして、一時期はベルギーKillerとともに狂ったように再生してました。

BackwaterはBaphomet’s Bloodの2ndアルバムジャケットでメンバーがTシャツを着てることからもわかる通りのモーターヘディッシュなスピードメタルです。しかしながら、彼らはモーターヘッドと同じレベルでVenomからの影響も大きいように感じます。

このアルバムの魅力は、1、2曲目に代表されるようなモーターヘッドからの影響が大きいスピードメタルにプラスして、Venomが持つダークネスをサタニック&神秘的な雰囲気で表現してるところで(歌詞の内容はサタニックではないけど)、Venomの中でもAt War with Satan~Possessedくらいの時期に顕著な暗さ・神秘性・メロディアスさまで汲み取っているのがとてもカッコいいです(特にWarheadシングルあたりの雰囲気っぽい!)。でもヴォーカルはクロノス風ではなく、声は細いけど頑張ってレミーを目指してるような感じなので、速い曲なんかはまるでFingernailsがVenomのダークネスを取り込んだようなスピードメタルでめちゃ渋い!またこのアルバムではドラムが相当つんのめってますが、そのつんのめり方が個人的に大好きな曲であるWoman, Leather and HellとかDead of the Nightにおけるアバドンのそれに近くて本当に素晴らしい。また、8曲目に収録の”Witchchaser”が非常に渋くて、この曲はSeven Gates of HellやIn Nomine Satanasなどで表現されているVenomの神秘性やオカルティズムを明らかに意識しています。84年にVenomの持つ静や美の要素に目を付けていたバンドはあんましいないんじゃないのかな?わかんないけど。まあWarheadシングルもリリースは84年なので時代考証的にはおかしいかもですが、Aメロでの、ベースがルートを刻む中でギターがD→CをジャジャーンってやるのなんかもろVenomっぽいよなあ。BulldozerはVenomのオカルティズムをMercyful FateやDeath SS影響下のシアトリカルな表現に曲解して表現していたと思ってますが、Backwaterはよりオリジナルに忠実だと思います。これと3曲目”Bad Choice”はギターソロもメロディアスな時のマンタスのソロっぽいです。妖しげなアルペジオから爆走する”The Black Knight and The Holy Sword”と”Hell-Cat”は妖しさ・ダークネス・つんのめりというこのアルバムの魅力が全て詰まった曲になってます。どうでもいいけど、このアルバムのThe Black Knight and The Holy Swordとか、あとベルギーWarheadのFirst Light of The Apocalypseとかみたいな、無意味に曲名が長くて大仰なのに、曲は短くて普通のスピードメタル、みたいなのが大好きなのでいつか自分でもやりたいなあ。

 

Backwater – Final Strike

 

 

続けて86年2ndアルバム。

前作でつんのめりまくってたドラムをはじめとして、全体的に演奏力が向上した結果、前作に顕著だったVenom-ismは減退しましたが、その代わりにジャーマン鋼鉄感が増し、しかしながら音像のダークネスは全く変わってないので、今作はFingernailsに前作におけるVenom性の代わりにIron Angelのサタニック・ダークネスをブチ込んだような感じで、こちらもとてもカッコいいです。特にA面のミドルテンポ・ナンバー2曲は、ドラマ性と暗黒性が前作より増してるので、Late 80’sのダーク・スラッシュが好きな人にもオススメできそうなくらいかも。A面ラストの”Nuclear War”はミドルテンポ曲のダークネスをそのままに疾走する名曲です。しかしB面ではダークなA面と打って変わって、R&Rな曲を連発しているので、1stのR&R感への期待にもしっかり答えています。ただ、A面とB面のノリがかなりアンバランスなので、(再発CDで聴く私のようなカス・ポーザーにとっては)ちょっとマイナスな部分かもしれません。曲はとてもいいですけどね。

あと、これは1stもですけどこのバンドは音作りがとても良くて、全体的にロウ・ミッドな粘り気のある音作りがこのバンドの暗黒性の表現するのに大きな役割を果たしてるのかも。ベースの音はかなり(Warheadの時の)クロノスっぽいぞ!

 

 

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ちなみに彼らがTVに出演した際の映像がYouTubeに上がってまして、ギタリストは渋くキメたがってるのに、ちょっとウザいくらいにドランクなノリのベーシストが全てを破壊していて、これがまた味わい深いです。しかもこのベーシスト、ロン毛ですが頭頂部がちょっとハゲてて泣けてきます。この動画を見てると、彼らのR&Rなノリとダークネスはベースとギターそれぞれが持つ個性が融合した結果なのかなあ、とも思えてきます。